発災時の対応など学ぶ―道栄養士会苫小牧支部が研修会

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  • 2019年12月11日
胆振東部地震発生時の食事の配給などについて語る田坂さん

  北海道栄養士会苫小牧支部(斉藤幸子支部長)は7日、苫小牧市民活動センターで研修会を開いた。会員や市民24人が参加し、胆振東部地震で被災した厚真町の特別養護老人ホームの管理栄養士から、発災当時の対応などを学んだ。

   健康増進や疾病予防を目的に定期的に開いている研修会。北海道厚真福祉会の特別養護老人ホーム豊厚園の管理栄養士、田坂香織さん(30)が講話した。

   田坂さんは「施設は介護や支援を必要とする人の受け皿として機能していたが、想定を超える災害で地域や関係者に大きな影響を与えてしまった」と語り、被災から福祉仮設住宅の利用に至るまでの過程を伝えた。

   利用者の空腹を早めに満たす方法として「備蓄食品には調理しなくてもいいものを選んで」とアドバイス。パンは「液体に浸して軟らかくする容器がなければ、上手に飲み込めない高齢者に不適切」と指摘した。電気が使えないことや人手不足を想定し、その場ですぐに食べられるものとして、経口の栄養補助食品やカレーを紹介した。

   また、当時を振り返り、「避難生活が安定するまでの約1カ月間は長い一日がずっと続いている感覚だった。他の栄養士と話し合う中で一緒に乗り越えられた」と語った。

   このほか、なの花薬局苫小牧三光店の管理栄養士、宮田可奈子さん(24)が栄養士としての薬局での活動を紹介した。

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