千歳市社会福祉協議会は6日、防災ボランティアリーダー養成研修会を同社協事務所で開催した。昨年9月の胆振東部地震で災害ボランティアセンターの運営に携わった、安平町社会福祉協議会の事務局長補佐、高橋光暢氏が出席者22人を前に同地震でのボランティアによる支援活動を振り返り「被災者の前を向く気持ちを後押しするのもボランティアの役割の一つ」と強調した。
災害発生の際、千歳市社協は災害ボランティアセンターの開設と運営に当たる。支援が必要な被災者のニーズを支援活動への参加を志願するボランティアとつなぐ調整を行い、防災ボランティアリーダーは同センターの活動を支援する役割が期待されている。
昨年9月6日に発生した胆振東部地震では、同町内のけが人は重傷7人、軽傷10人。建物被害は全壊から一部損壊まで含め2881棟に上った。高橋さんはこれら被害状況を振り返り、「亡くなった方がいないのが不思議なくらい」と語った。
支援のニーズ把握や事務所の準備を経て、発災4日後には災害ボランティアセンターの活動を開始。ニーズ班が被災者の声を聴き取り、マッチング班につなげてボランティアを派遣する―といった流れで支援活動を繰り広げたという。
ボランティアはがれきや倒れた家具で散らかった家屋内の片付けなどを行った。高橋さんは「ボランティアが集団で動く時はリーダーが必要。リーダーがいるとスムーズになります」と経験を語った。「ボランティアは重い物を運ぶだけでなく、被災者の話を聞くも大事。応援する気持ちは伝わる。だからこそ被災者は前を向けます」と伝え、いざというときに支援者が果たす役割の大きさを挙げた。
講演後は参加者がグループごとに、災害時に住民がボランティアとしてできることを話し合う時間も設けられた。