第6回ビブリオバトル世界大会(実行委員会主催)が7日、白老コミュニティーセンターで開かれた。出場者が紹介した本の中で、最も読みたくなった1冊を会場の観戦者全員の投票で決める大会で、国内外の大学生ら6人が出場し、お薦めの本の書評合戦を繰り広げた。投票の結果、台湾の大学生、王昕茹(ワンシンルウ)さんが紹介した「悪意の心理学」(岡本真一郎著)がチャンプ本に選ばれた。
ビブリオバトルは、ビブリオバトラーと呼ばれる発表者が出場し、読んで面白いと思う本を1人5分以内でプレゼンテーション。その後、観戦者らが一番読みたくなった本を選んで投票し、得票数が最も多い「チャンプ本」を決める。2014年から室蘭市で毎年、世界大会が開かれている。
白老町を初めて会場にした今大会には、予選を勝ち抜いた中国、台湾、タイ、ネパール、日本の大学生ら6人が出場。町民ら約70人が観戦した。出場者は「よるのばけもの」(住野よる著)、「花ちゃんのみそ汁」(安部信吾・千恵・はな著)、「ジャッジメント」(小林由香著)など、小説やノンフィクションのお薦めの本を日本語で紹介し合い、自身の経験を交えながら感銘を受けた点などを伝えた。
投票の結果、ネット上での悪口やいじめ、差別の言葉など社会にまん延する悪意的な発言が生まれる背景を考察した「悪意の心理学」がチャンプ本に。須藤秀紹実行委員長(室蘭工業大学教授)から王さんに記念品が手渡された。
ビブリオバトルは、読書への関心を高めたり、コミュニケーション能力を向上させたりする効果と書評合戦の面白さから近年、中学生や高校生、大学生ら若者を中心に各地で開かれている。