厚真町の上厚真小学校(井内宏磨校長)は、厚南中学校と連携して小学6年生の「中1ギャップ」の解消に力を入れている。小中一貫教育の一環として、今年度は例年1回だった体験入学を4回に増やしたほか、厚南中の教員を小学校に招いて授業も実施。6年生が来春、中学校に進学する際、新しい環境に早くなじめるよう手厚くバックアップしている。
上厚真小では毎年、年に1度中学校に出向いて1日体験を行っていたが、今年度は6、9、11、2月に計4日間の登校日を設定。また、この間、中学校の教員が小学校に足を運び、国語や社会のほか、体育や音楽など専門科目も指導してきた。
11月下旬にあった3回目の中学校訪問では、実際に厚南中の教員がメインで授業を担当。児童たちは国語や算数、社会、体育、音楽など直接指導を受けたほか、掃除や給食、放課後活動なども体験した。児童たちも徐々に雰囲気に慣れてきたようで、三原埜々花さん(11)は「授業ごとに先生が変わるので楽しい。早く中学校に行きたい」と言い、部活動に入るのはもちろん、「理科の難しい実験が楽しみ」と声を弾ませた。
町では今年度から本格的に小中一貫教育を導入し、取り組みをスタートさせている。上厚真小の森島新教頭は「(回数を重ねることで)子どもたちが中学校へ行く心づもりは意識付けされてきたと思う」と手応えを実感。今後、小中間の連携をさらに強めることで「総合的な学習も推し進めていきたい」と話している。