むかわ町の「震災復興としてのまちなか再生を考える」をテーマにしたセミナーが2日、町役場と隣接する産業会館で開かれた。2011年の東日本大震災からの復興に携わる宮城大学理事・副学長の風見正三教授を講師に迎えて講演を行ったほか、町民と町職員合わせた30人ほどが参加したワークショップで町の未来を考えた。
同セミナーは鵡川、穂別地区の中心市街地活性化などまちなかの再生に向けて、新たなグランドデザインを地元の商工業者や地域住民と共に考え、今後の再生事業につなげていこうと開催。冒頭のあいさつで竹中喜之町長は「地震により市街地、商店街は大きな被害を受けた。未来につなぐまちなかの再生は、生活の再建と共に急務の課題。連携を高め、これからが楽しみなセミナーになることを願っている」と期待した。
風見教授は、自然や歴史、文化など「町の共有資源、いいところを改めて見つけてほしい」と提言。その一つとしてハドロサウルス科の恐竜全身骨格化石「むかわ竜」(通称)を挙げ、「より磨きを掛けるべき。ストーリーを公開、拡散して世界に共有してほしい」と伝えた。
この後のワークショップではグループに分かれて議論。「震災で失ったもの」として町並みや風景、希望、活力という言葉が挙がった一方、「震災が教えてくれたこと」では人とのつながりや温かさ、災害の怖さといったワードが出た。また共通する部分として「コミュニティー」といった意見が出ていた。風見教授は「これらを整理して、未来へのメッセージとして一つにつなげていくことで、みんながどんな町にしたいのか見えてくる。一つの言葉を手掛かりに町をつくっていって」とアドバイスを送った。
今年度の同セミナーは、道市町村振興協会の助成を受けて今回と来年1月の計2回を予定している。