白老町竹浦で脊椎骨折の大けがを負った柴犬が保護され、町が飼い主を探している。交通事故に遭ったとみられ、町内の動物病院の献身的な手当てで一命を取り留めたものの、保護から1週間たっても飼い主が見つからない。本格的な治療には手術が必要になるため、町は「心当たりのある人はすぐに連絡してほしい」と呼び掛けている。
町生活環境課によると、けがの柴犬を保護したのは11月27日。竹浦75の住民から「自宅の前で倒れている犬がいる」と町に通報が入り、現場に職員が駆け付けた。
犬はぐったりとし、瀕死(ひんし)の状態だったため、職員が町内のポロトの森どうぶつ病院へ搬送。犬は5、6歳の雌の柴犬で、レントゲン検査の結果、脊椎が折れていることが分かった。けがの状況や発見場所のすぐ近くに交通量の多い国道36号が通っていることから、横断中に車にはねられたとみられる。
同病院は早々、骨折部分をギプスで固定し、投薬や点滴などの治療を施した。しかし、骨折で神経管の脊髄が損傷したため、自力で立てず、「下半身まひの障害が残り、歩行には車いすが必要になるだろう」と服巻滋之院長は言う。
同病院スタッフらの懸命な処置で命の危険を脱した柴犬は3日、町生活環境課に引き渡された。職員の自宅で世話を受け、背中に走る痛みに耐えながら、じっと飼い主を待っている。
最初に保護した際、散歩のときに使用する赤いハーネス(胴輪)が体に装着され、毛並みもきれいなため、同課の職員は「室内で飼われていたペットではないか。散歩中など何らかの拍子に飼い主とはぐれてしまったのかもしれない」と推察。町はホームページで迷い犬情報を出しているが、これまでのところ反応はない。
応急処置を施された柴犬は、今後の本格的な骨折治療で大掛かりな手術が必要になるため、同課は「早く引き取りに来てくれれば」と願っている。町生活環境課の電話番号は0144(82)2265。