難病のため今月末での退団を公表した札幌交響楽団コンサートマスターの大平まゆみさん(62)を元気づけようと、白老町萩野小学校の全校児童140人が手紙を送った。昨年秋に来校し、夢を抱いて努力する大切さを教えてもらった恩返しにと、手紙に励ましの言葉をしたためた。
バイオリン奏者の大平さんは昨年11月、全校児童を対象にした道徳の授業の講師として同校を訪れた。人を元気にする音楽の素晴らしさや、夢の実現へ一生懸命に努力する大事さを伝えたほか、バイオリンも奏でて児童らに感動を与えた。
災害の被災地を慰問する活動にも取り組んでいた大平さんが、全身の筋肉が徐々に衰えていく難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の可能性が高いと診断され、長年にわたり活躍した札幌交響楽団から退くことを20日に公表。それを知った児童らは、病気に負けないで―と、闘病生活を送る大平さんに手紙を送ることを決めた。
「早く病気が治るといいですね」「頑張ったら、できるようになるよって教えてくれてありがとう」「僕たちに夢や希望を与えてくれてありがとうございます」―。児童らは心を込めて感謝と激励の文章をつづり、このほど投函(とうかん)した。