白老町はJR白老駅北側エリアに設ける白老駅北観光商業ゾーン(愛称ポロトミンタラ)で、来年4月の民族共生象徴空間(ウポポイ)開業以降、観光客に白老や各地の食、アイヌ文化の魅力を発信するロングランイベントを展開する。ポロトミンタラに整備する交流広場など屋外を会場に、土・日曜日を基本に長期にわたってイベントを催し、にぎわいを創出する。町は今後、地元経済界やアイヌ協会などの協力を得て今年度内に企画を固める方針だ。
町経済振興課によると、イベントは、国内外からウポポイへ訪れる人たちに地域の魅力を伝え、観光振興を図る狙いで開催。年間100万人を目標にしたウポポイの来館者に白老町内や周辺地域の観光資源を知ってもらい、周遊につなげたい考えだ。
会場はポロトミンタラの西側に整備する交流広場などで、アイヌ文様デザインのテントやテーブル、椅子を配置。テーブルクロスにも文様を施し、アイヌ文化に触れる空間を演出する。各テントでは白老や各地のグルメを提供するなどして、地域の魅力をアピールする。
開催は今のところ基本的に土・日曜日とし、農協、漁協、町商工会、各地アイヌ協会、地元の飲食店や1次産業の生産者、胆振・日高18市町の官民でつくる日胆地域戦略会議などの協力を得て8月か9月ごろまで続ける。農産物・水産物フェア、アイヌ文化体験などイベントの内容を衣替えしながら展開する方針だ。
町は今後、各団体との協議やイベント会社のアイデアを生かし、開催日や期間を含めて具体的な計画作りを進め、ウポポイのオープンに合わせてスタートする考え。アイヌ文化や地域の観光資源を紹介した多言語の観光パンフレットも作り、ポロトミンタラのインフォメーションセンターなどで配布する。町の担当者は「イベントのロングラン開催で白老をはじめ、広域的な観光振興につなげたい」としている。
ポロトミンタラは、ウポポイに近い駅北広場跡の1・5ヘクタールを用地としたエリア。町が建設し、指定管理者の白老観光協会が運営するインフォメーションセンターを核とした行政整備区域(1ヘクタール)と、ホテルや飲食物販の施設を設ける民間活力導入区域(0・5ヘクタール)で構成している。
民活導入区域に参入する事業者はまだ決まっていないため、町は来年、3次募集を行う予定だ。