厚真町議会は26日、臨時会を開き、太陽光発電や胆振東部地震による倒木などを活用した木質バイオマス発電などエネルギー地産地消事業を盛り込んだ今年度一般会計補正予算案を全会一致で可決した。町は道からの補助金を活用しながら、今年度を含む3カ年計画で事業を進める考えだ。
同事業は、太陽光や地震で出た被害木など町内で利用可能な自然資源を使って電力を生産し、災害による停電時にも災害対策本部や避難所となる公共施設に電気を安定供給できるシステムを構築するもの。町によると新町、京町、本郷、富里の町内4地区に太陽光発電設備と蓄電池の設置を計画している。
このうち新町地区では、新事業として地震で大量発生した倒木を使ってバイオマス発電を行い、その廃熱を「厚真ストロベリーパーク」(仮称)に送ってイチゴ栽培に利用する構想も検討。実現すれば、観光農園需要の高まりと雇用の促進なども期待できる。町は事業を進めるにあたり、調査委託料など約93万円を計上している。
エネルギー地産地消事業をめぐっては8日の臨時会で予算案が否決され、町が議員に対して説明を続けてきた。宮坂尚市朗町長は「まずは理解をいただいて、事業のスタートラインに立つことができた。厚真町の復旧から復興に向かう象徴的な事業の一つとして、精度の高い素晴らしい事業にしたい」と話していた。