厚真町と胆振総合振興局は1日、町内で林業や木材産業に関わる人と会うバスツアー「厚真の森をひもとくフィールドワーク」を開催した。町内外から8人が参加し、豊かな町有林や森林を活用して働く人から話を聞き、厚真の森の可能性について知見を深めた。
町や同振興局によると、町内には約2200ヘクタールの森林が存在するが、活用し切れていないのが現状。2018年9月の胆振東部地震後、被災した森林の再生について議論や事業が行われ、森林空間の利活用に向けた取り組みが必要とされている。ツアーは町内で活動する人の取り組みや町の施策を知ってもらうことで、森の循環を生かしながら新たに起業する人や町に関わる人を集める狙いもある。
参加者は、丹羽林業(豊丘)と西埜馬搬(宇隆)、木の種社(美里)の代表者を訪問。製材や板の販売などを行う木の種社では、中川貴之代表(42)が製材工場や木材加工業の現状を説明し、「森の仕事を絶やさないよう、木の仕事を続けることが大事。50年、100年先も森と人のつながりが保たれていることがすごく大事になる」と述べた。
ツアー終了後、札幌市豊平区から参加した千葉悟史さん(38)は「馬搬や丸太の加工は外部から人を呼ぶ魅力があると思う。地方創生に興味があり、厚真町と今後も関わりたい」と話した。さとゆめ(東京)東日本伴走チームコンサルタントの伊藤真一郎さん(43)は「厚真町は山林の資源が多く、一緒に手を組んで町外から人を呼ぶ流れを作りたい」と意気込んだ。
町産業経済課林業・森林再生推進グループは「ツアーで林業や木材加工をする人たちを知ってもらえた。来年度以降も続けていきたい」としている。