安平町追分在住の野中賢一さん(60)がこの冬、追分地区のキャンプ場に犬ぞり体験ができる観光施設を立ち上げようと計画している。町の自然を生かして新たな文化を取り込み、盛り上げようとする試みだ。開設に必要な一部費用をインターネットを使って資金を調達するクラウドファンディングで補いたい考えで、12月下旬のオープンを目指して支援を呼び掛けている。
犬ぞりは、雪国などで馬に代わって犬にそりを引かせる移動方法。カナダやアラスカなどで輸送に用いられており、野中さんはカナダで見た犬ぞり体験ツアーに感銘を受けた。これまで札幌市内で観光バスの運転手や添乗ガイドを務めていたが、60歳を機にフリーランスとなり安平町に移住。愛犬飼育管理士の資格を取得し、自己負担でシェパード、シベリアンハスキーの計3頭を購入するなど、ほぼ一人で準備を進めてきた。
ただ、犬の確保や維持、専用のそりの製作費などの負担がさらにかさむため、不足分の調達にクラウドファンディングへの協力を募る。金額は3000~5万円に設定し、目標額は70万円。返礼品として特産品やオープンした際に犬ぞりが体験できる優待チケットなどを考えている。期間は12月11日まで。
犬ぞり体験ができる施設は富良野市や上川管内鷹栖町、十勝管内鹿追町などにあるが、本格的にできる施設は道内でも数少ないという。野中さんは「犬ぞりを安平町の冬のアクティビティーとして定着させることができれば。地域に犬の文化を広げていきたい」と話している。
犬ぞり、クラウドファンディングに関する問い合わせは野中さん 携帯電話090(9087)7059。