まるや

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2019年11月20日

 テレビを見ていると日本の言葉はいつか、共通語と大阪弁の2種類になるのかと思うことがある。いろいろな地方の言葉は、なかなか聞こえてこない。

 北海道弁の温かさや味わいも、NHKの朝の連続テレビ小説が変わり、聞く機会が減って寂しい。な~んもだ。―べや。―でないかい。そんな言葉に包まれて過ごす時間のくつろぎが好きなのに。

 青森県の新聞に載った、暴力団構成員逮捕の短い記事と写真が知人から送られてきた。容疑は、県内に住む女性の職場でのトラブルをめぐって、電話をかけて「おめの車、壊してまるや」などと脅した疑いだ。「まるや」の意味が気になって、何度か読み直した。

 青森県津軽郡のリンゴ農家、久米田亥佐雄さんが2007年に出版した方言辞典「津軽の標準語 あがだんぶり(赤とんぼ)」を開くと、「―まる」は「―しまう」の意味。やて・まるは「やってしまう」、ねて・まるは「眠ってしまう」と用例が示されている。方言が、そのまま新聞記事になることには賛否や好悪があるかもしれない。しかし、この逮捕記事でいえば「壊してやるぞ」よりも、脅し文句としての緊迫感はあり、容疑者の乱暴さは伝わりやすい。

 分かりやすいことが新聞記事の第一条件だとすれば「まるや」はきっと有効だ。文化としての方言を、テレビなどの影響で共通語化の進む若い読者らに伝え広める意志はじゅうぶんに届いた。(水)

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