来年4月の民族共生象徴空間(ウポポイ)開業に伴う観光客の入り込み増を見据え、白老町は町内の観光スポットを案内するガイドの育成事業に乗り出す。今年度は12月から2月にかけて町の概要や歴史を学ぶ養成講座を開く。講座修了者などガイド人材のネットワーク組織を年度内に立ち上げ、観光客の受け入れ体制を築く。
講座は町コミュニティーセンターを会場に12月12日に開講し、最終の2月6日にかけて全6回の座学などを予定。苫小牧駒沢大学の岡田路明客員教授、国立アイヌ民族博物館設立準備室やアイヌ民族文化財団、町消防本部の職員が講師を務める。町の特性や歴史、地元アイヌ文化、ウポポイの概要、救護知識と技術などを学ぶカリキュラムを組み、講座を展開する。
時間は午後6時半から2時間で、受講費は無料。観光ガイドを希望する人を対象とし、定員は30人。22日まで申し込みを受け付けている。
白老町では来年4月24日、国立アイヌ民族博物館と国立民族共生公園で構成するウポポイがオープンし、それに伴う観光客の入り込み増が見込まれている。年間100万人を目標にしたウポポイの来館者を町内各所の観光スポットに誘導し、白老全体の観光振興を図るため、ガイド養成が課題となっていた。
町は観光客のおもてなし体制の構築に向け、白老観光協会を中心としたガイドのネットワーク組織を年度内に設立する方針。講座の修了者のほか、仙台藩白老元陣屋資料館やポロトの森のガイド人材などにも登録してもらい、同協会の調整の下、観光客のニーズに合わせて地元の観光スポットや自然、文化・歴史の地などを紹介、案内する仕組みの構築を目指す。ウポポイの開業後も引き続きガイド人材の育成に取り組み、町は「いずれは有償ボランティアとして活動してもらう体制を築きたい」としている。
養成講座の申し込み、問い合わせは町経済振興課観光振興グループ 電話0144(82)8214。