胆振東部地震で発生した土砂崩れなどの山林被害の復旧について話し合う「胆振東部森林再生・林業復興連絡会議」が12日に厚真町内で開かれ、道は森林造成実証試験を行っている厚真町幌内の町有林現場を公開した。昨年の地震により厚真、安平、むかわの3町で約4300ヘクタールに及んだ森林被害の復旧に向け、土壌条件の異なる試験区に約2000本を植栽し、効果的な植生方法を見いだしていく。
道内では山肌が露出した斜面などに植林や緑化を行った過去の事例がないため、道は土壌の硬度、浸透性の異なる厚真町内の道有林、町有林の3カ所で実証試験を開始。2021年度までの期間で行い、その成長過程を踏まえて森林の造成を進めていく。
この日公開したのは、道内で広く植林されるカラマツやアカエゾマツ、同地域で自生するミズナラなど5樹種を8日に植栽した幌内の町有林で、土壌が硬く、浸透性も低い場所。道や3町、苫小牧森林組合の職員が現地を視察した。
この後、厚真町総合福祉センターに場所を変えて会議を開き、被災森林所有者への意向調査で216人のうち7割ほどが継続して管理することを希望している状況を報告。また治山復旧事業については3町合わせた38カ所で今年度内に工事が完了するほか、林道についても17カ所の完了を予定している内容についても説明があった。
同連絡会議は被災した厚真、安平、むかわの3町と道、苫小牧森林組合、東胆振森林づくり協同組合、道森林管理局などで構成。道水産林務部の本間俊明林務部長は「この取り組みは各方面から注目されている。皆さんが復旧を実感できるよう進めていきたい」と話していた。