北海道栄高校陸上部の三浦徹大(3年)が、9~10日に愛知県刈谷市のウェーブスタジアム刈谷で開かれた第24回エブリバディ・デカスロンin愛知高校男子八種競技を制した。北海道高校新記録となる5568点を挙げたほか、全国高校総合体育大会(インターハイ)=沖縄県=覇者らを抑えての価値ある栄冠。「最低でも道高校記録更新をと思っていた。挑戦してよかった」と胸を張った。
東海デカスロンチーム主催、愛知陸上競技協会が主管した混成競技の祭典。高校男子八種には全国の精鋭29選手が出場した。2日間で100メートル、走り幅跳び、砲丸投げ、400メートル、110メートルハードル、やり投げ、走り高跳び、1500メートルを展開。各種目で獲得した総合ポイントを競った。
高校総体の苦い思い出を拭い去る道のりだった。最初の100メートルで向かい風ながら11秒12と自己ベストを更新する走り。勢いに乗ると、初日の4種目を終え3015点で暫定トップに立った。
8月のインターハイ時も初日は3017点を獲得し首位ターン。ただ、そこからやり投げ、走り高跳びの苦手2種目で400点台と踏ん張り切れず、最終的には12位まで順位を落としていた。「また、同じことになるのか」。脳裏を過ぎった。
不安要素はあった。大会数週間前に股関節を痛め、得意の110メートルハードルに向けた練習はほぼ皆無だった。それでも、遠方の大会に快く送り出してくれた両親や堀下航監督の期待に応えたい一心で、2日目の同種目を追い風参考ながら15秒02(847点)をマーク。課題のやり投げ、走り高跳びも粘って500点台に乗せた。
最終1500メートルは、全国高校選抜大会(8月31~9月1日、大阪府)後から駅伝部の練習に参加しながら強化してきた種目。7競技終了時点で、全国選抜を制した1学年下の松井泰誠(添上)に76点差で首位の座を譲ってはいたが、「あくまでも自分との闘い」と動揺はなかった。自己ベストを大幅に更新する全体4位の4分40秒68。676点を加算し、総合ポイントで松井をわずかに1点上回っての逆転優勝だった。
3位にはインハイ覇者の池田塁(諫早農業)。2人のタイトルホルダーを抑えての頂点に、堀下監督は「時期的に得点が出にくいながらも、立派なパフォーマンスを見せてくれた。素晴らしい」と功績をたたえた。
日々の練習態度はもちろん、寮生活ながら日常の食事管理など、「やれることはすべてやる」(三浦)ストイックさが強さの源。旭川市からはるばる全国屈指のスプリンター王国の門をたたき、持ち前の跳躍、投てき力に、スピード感あふれる走りを加えることができたのも大きかった。
卒業後は関東の強豪大進学を希望している。次なる主戦場は棒高跳び、円盤投げの2種目を加えた十種競技になるが、「高校総体では日本一になれなかった。大学では必ずかなえたい」。大志を抱く。