49・48%。第50回衆院選での苫小牧市内の投票率だ。小選挙区に移行した1996年以降の最低で、道9区(胆振・日高)管内全18市町でも最も低く、全体を押し下げた。2人に1人が投票に行かなかった計算だ。主権者としての自覚や意識は、危険水域といっていい。
街頭演説に何度か足を運んだが、有権者の関心の薄さは気になっていた。足早に通り過ぎる市民が多く、政党の支持者を除けば、報道関係者の方が多いこともあった。石破茂首相が苫小牧入りした際も、会場は聴衆で埋まったが、歴代首相の来苫時と比べて熱量が低い印象。厳重な警護のせいばかりではないだろう。
政治とカネが最大の争点だった今選挙。9区が地盤だった自民党の堀井学元衆院議員が辞職し、選挙区内で違法に香典を配ったとされる公職選挙法違反などで有罪が確定。政治への信頼は地に落ちた。投票で政治改革の思いを託し、自民党に反省を促した人もいるだろうが、失望感から棄権した人も多かったと思う。
「一票では何も変わらない」という声もよく聞く。ただ、投票率が低下するほど、政治家も票を入れる特定の層しか見るようになりはしないか。裏金議員を二度とこの選挙区から生まないためにも、政治に関心を持ち続けてほしい。(金)