生き方の骨格はいつどこで身に付けるのだろう。親や先生の言葉を聞いた時か、友人の行いを見た時か、自分の言動を初めて恥ずかしいと思った時か。
新聞やテレビのニュースを見ていると政治家や官僚の問題点がよく見えて、参考になる。今は、就任間もなく辞任した経済産業大臣と法務大臣の説明責任や、安倍首相の任命責任をめぐる国会の委員会に注目し、時間が合えばラジオの国会中継を聴き、うなずいたり笑ったりしている。両氏ともに公職選挙法違反の疑いのある金品の授受が辞任の理由だが、辞任時の簡単な会見以外に説明はない。
任命責任の方は型通り、国民への陳謝と、今後の政策推進への決意が繰り返されるだけで新味はない。注目は首相のやじだ。6日に野党議員から強く謝罪を求められどぎまぎしていたのに、8日の参院委員会でも、またやじを飛ばして、委員長から「慎むように」と注意を受けたと報道されている。第2次安倍政権では2014年10月以降、今回の2氏を含め10人の大臣が辞任しているそうだ。最近では今年4月、度重なる失言の責任を取って辞任した桜田五輪大臣の辞任が記憶に新しい。任命責任がどうこう以前に、口が滑るという共通点が内閣の中、大臣の資質の中に、あるのかもしれない。
口先の、中途半端な謝罪で逃れようとする人たちの言動を見れば「このように生きてはならない」という指針が見えてくる。(水)