世界文化遺産の沖縄のシンボル、首里城跡に建つ正殿や北殿など7棟の主要施設が10月31日未明の出火により、焼失した。新冠町内の小中学生は毎年1月、町教育委員会の国内研修交流として沖縄県を訪れ、沖縄の歴史や文化を学ぶため毎回欠かさず首里城を見学しており、荘厳な首里城を知る人たちはこの大規模な火災に驚き、悲しんでいる。
町内の小学6年生と中学1年生を対象にした町教委主催の少年国内研修交流事業(3泊4日)は、1997年から実施。参加希望者を募り、作文と面接で毎回20人前後の児童・生徒が選ばれ参加している。事前研修で沖縄の自然や暮らし、歴史・文化、戦争や平和などのテーマをグループで決め、沖縄研修は2004年から今年まで16年続いている。
琉球王朝の興亡を伝える首里城は、第2次大戦の沖縄戦で破壊され、1992年に正殿などが復元されていた。研修参加者は毎年、町民向けに研修成果を発表する報告会を開催しており、首里城について「赤い壁やきれいな飾りの建物は中国にいるような雰囲気だった」などと報告してきた。
今年1月の沖縄研修に同行した町教委社会教育課青少年グループの三間敬介主事は、「琉球王国の歴史を学べる首里城が火災となり悲しい。子どもたちも驚き、残念がっていると思う」と話している。