ウトナイ湖の水面がカモ類やハクチョウ類でにぎわう中、自然観察路は「落とし物」の観察に良い季節を迎えています。水鳥の羽や木の実などいろいろありますが、今の時期だけ楽しめるのが落ち葉です。紅葉した葉は地面に落ちてもまだ色が残っていますし、湖周辺にはいろいろな種類の植物があるため、さまざまな色や形を楽しむことができます。さらに、手に取って観察することもできるので、小さなお子さんでも楽しむことができるのも魅力です。
私たちレンジャーが子どもたちと落ち葉を使って遊ぶプログラムの一つに、テーマを決め、探して集めるというものがあります。例えば、色に注目した「赤い葉っぱを集めよう」。そうすると、ひと言で「赤」と言っても、ダイダイ色に近い赤から深紅まで、自然にはいろいろな赤色があることに、子どもたちは気付くのです。時には、その中から自分の一番好きな赤を決めてもらう、といったことも行います。また、形に注目して、「手に似た葉っぱを集めよう」とすると、人の手や、カエルのような水かきが付いた手など、さまざまな葉を拾い、そこから切れ込みの数や形の違いなどに気付きます。大きさに注目して、「一番大きい葉を探そう」と競争してもらうこともあります。穴を開ければお面になるような、大人の顔も隠れるホオノキの葉も林にはあります。
こうした遊びは、生き物の知識が無くても楽しむことができますし、同じ葉でもいろいろな違いがあることなど、小さな子どもでも学びを得られるのではないか思います。ご自宅の周りでも十分楽しめますが、ウトナイ湖のような自然豊かな場所だと種類が多いので、学びもより深いものになると思います。ご家族でお越しいただき、足元に落ちている葉に注目してみてはいかがでしょうか。
(日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ・瀧本宏昭レンジャー)