北海道地域情報セキュリティ連絡会と道警は10月28日、ネットワークの外部脅威(サイバー攻撃)からのセキュリティー技術の競技会「マイクロ・ハードニングフォーユース」(16日、道警本部)参加者向け事前講習会を公立千歳科学技術大で開いた。同大の学生や社会人12人が参加し、ネットサイトを不正アクセスなどから守る方法を学んだ。
競技会は、30歳以下の社会人や学生を対象とし、啓蒙(けいもう)を目的に初実施する。イベント運営には同大が協力。参加者は、架空のネットショッピングサイトの運営者役を担い、商品の改ざんや不正ログインなどが自動で行われるサイバー攻撃に対処することが求められる。
毎回、決まったタイミングで同じ攻撃が発生するように設定されており、挑戦するたびに、少しずつ対処法を試しながら短時間で経験を積める。参加には、ネットワークの設定を行う予備知識が必要なため、初心者向けに千歳と札幌で事前に講習会を実施している。
同大情報システム工学科の専任講師、深町賢一さんは「ネットショッピングでは、客がサイトに1秒でもアクセスできないと大きな損害が出る」と指摘。ネットワークなどの構築や運用を行うインフラエンジニアの業務に「興味を持ってほしい」と説明した。
参加者は、3チームに分かれてホームページにアクセスが不能となる演習問題に取り組んだ。「芸能人のホームページでも似た例があった」「データのログ(記録)を見たら、操作の痕跡が分かるのでは」と経験やアイデアを出し合いながら、解決策を探った。
道警サイバーセキュリティ対策本部の担当者は「将来、いろいろな職に就いた際にもコンピューターセキュリティーを意識して仕事をしてもらえれば」と参加者に期待している。