苫小牧のアブロス日新スイミングクラブに所属する木原繁樹(27)がこのほど、福岡県の福岡県立総合プールで開かれた第36回日本マスターズ水泳選手権大会ジャパンマスターズ2019(長水路50メートル)の男子50メートルバタフライ25―29歳で頂点に立った。前回3位の悔しさを胸に、精鋭ぞろいのレースで悲願の金メダル獲得。今季、自己ベストを大幅に更新するなど「そのままの勢いでレースができた」と胸を張った。
日本水泳連盟など主催の今大会同部には、全国の14選手が出場。1レースのみのタイム決勝によって順位を決定した。
今年6月の北海道選手権(長水路)で、目標に掲げてきた25秒台に突入する25秒71の泳ぎを披露した木原。大学時代にマークした自己ベストの26秒10を大幅に更新したことで、今大会優勝の自信はより深まっていた。
順位よりも「自己ベスト更新だけを意識していた」と本番では2位に10分の4秒差をつける26秒05でフィニッシュ。日本一獲得を喜ぶ半面、「25秒台前半には乗せたかった。一発勝負の難しさを感じた」と内容には少し厳しい表情を見せた。
練習改革が実を結びつつある。これまでは「こんなにトレーニングしているんだという、自己満足の世界だった」と木原。練習拠点にするアブロス日新温水プールに週5日は通い、約1時間でトータル2・5キロも泳いだほか、ウエートトレーニングも並行し、徹底的な筋力、体力アップを図ろうとした。
ただ、前回マスターズで3位入賞後から、記録が伸び悩んだ。社会人として仕事をしながらハードワークする日々。疲労が徐々に蓄積し、「水泳が楽しくない。練習に行きたくない」と思うまでに自身を追い込んでいた。
筋力、体力を効率よく使うことに意識を変えた。しなやかさのある泳法習得のため、ストレッチ要素のあるトレーニングを入念に行うようになったほか、泳ぐ距離も半分以下に設定。手足の使い方を細かくチェックするドリルに時間をかけた。「水中での進み方が大きく変わった。記録の壁がなくなった感じ」と手応えを口にする。
自信を胸に、さらなる飛躍を目指す。厳しい参加標準記録が設定されたジャパンオープン参戦。また、2021年には、福岡県で世界マスターズが開催される。そこで「優勝したい」。闘志を燃やした。