玩具販売「博品館」(本社東京)の新千歳空港店、千歳アウトレットモール・レラ店は、草を素材としたストローを販売している。万が一自然界に放置してしまっても分解されて環境に悪影響を与えないのが特長だ。小売り店や飲食店で紙のストローは少しずつ普及しつつあるが、草製の品を取り扱うのは道内でも珍しいという。
商品名は「グラスストロー」。ベトナム製で、ユピテル・ジャポン(札幌市)が輸入を手掛ける。農薬や化学肥料を一切使わずに育てたカヤツリグサ科の植物が素材。10本入り税抜き250円で販売中。
洗浄して長さをそろえるなどの加工を施した上で乾燥させている。無味無臭で、使用時も飲み物の味や香りを邪魔しない。使用後は可燃ごみとして捨てることができるほか、間違って屋外に捨てても土に返るのが特色。一本一本、色や長さが微妙に違うのも味わいだ。
広く使われているプラスチック製ストローは、欧米では使用を制限する動きが高まっている。自然界に投棄されたストローなどのプラスチックごみが海洋を汚染し、ウミガメなどの野生動物が誤ってのみ込むなどの悪影響があるためだ。
2018年7月には世界的に店舗を展開する米大手コーヒーチェーンが20年までにプラ製ストローを全廃する方針を打ち出した。日本国内でもファミリーレストランを手掛ける企業がプラ製ストローの使用をやめる姿勢を示している。
博品館両店の中村孝之店長は商品を取り扱う理由として「環境破壊は人間や野生動物の脅威。北海道の自然が壊れ、野生動物に影響があるのは嫌ですから」と説明。「一般家庭だけでなくカフェなどでも使っていただき、どんなものか知ってもらいたい」と薦めている。