あと数日で11月。紅葉がきれいだなと思っていたらまちなかに大量の雪虫が舞い、刻一刻と冬が近づいていることを実感させられる。新聞製作上は、正月の紙面も考えなければならない時期になった。新年号の巻頭写真の素材は何がよいか。
まずは来年のえと「子(ね)」が思い浮かぶ。カピバラ、チンチラ、ミッキーマウス…何か違う。煮詰まった末、インターネットの検索サイトで「ネズミ」と打ってみる。いろいろと出てきた中に、「ビッグマウス健在」という記事があった。サッカー元日本代表で今は無所属の本田圭佑が「なぜ私にオファーしないのか。まだアジアで最高の選手だと確信している」と自身の公式ツイッターでつぶやいたというニュースだ。
実に本田らしい。格好付けたり、遠慮したりして本気で臨まねば良い仕事はできない。「手袋をしたネコはネズミを捕らない」という格言もある。決定機にシュートを外し、今度ミスしたら信頼を失いかねない場面でも我を貫き、結果を残してきた。スーパーラットのような強い生命力に満ち、個性的だ。ゴールを決めた試合後、それには一切触れず「ネズミを食べる。僕ら日本人はこのニュースを見て何を思うか。人類は正しい方向に向かっているのか」と突然、社会問題に言及し始めたこともあった。いろんな意味で興味が尽きない選手。子年の新年号にビッグマウス。駄目か。(輝)