鵡川高校野球部が、秋のシーズンオフを利用してむかわ町内の農家で農作業に汗を流している。部員が練習時間に各農家を訪れ、農作業をお手伝い。人手不足の解消にも一役買っており、地元の農家から喜ばれている。
同校野球部は昨年、ボランティア活動として胆振東部地震で大きな被害を受けたトマト、イチゴ農家で、壊れたビニールハウスの撤去や選果作業などを手伝った。こうした縁を大事にしていこうと、今年も鵡川農業協同組合を通じて人手が必要な組合員を募り、4軒から依頼があった。
部員たちは複数のグループに分かれて、21日から本格的に作業を開始。同町豊城にある宮川正太郎さん(40)の農家には部員が連日交代で足を運び、収穫を終えた農作物の根茎の処理や落下したトマトの片付けなどを精力的にこなしている。宮川さんによると、1人だと一日がかりの作業が部員の協力により1時間半ほどで終わるとあって「スムーズだし、ダイナミックだし、もう最高ですね。部活動みたいな感じでやってくれるので、こっちも元気をもらいますよね」と感謝しきり。
1年生の川原秀真君(16)は「こういう作業を毎日やるのは大変だと思う。お手伝いができて力になれているなという実感がある」と話し、「野菜など苦労して作られていることを考えると、しっかり食べないといけないし、感謝の気持ちを込めてやらなければいけない」と語った。同部の石田毅部長(50)は「町の人たちが野球以外のことでこの子たちを必要としてくれ、また応援してくれる。毎年、継続してできたら」と話していた。