白老町を訪れた観光客にガイドサービスを提供する白老おもてなしガイドセンター(岩城達己代表)は、11月1日付で任意団体から一般社団法人となる。法人化によって多様なガイド依頼に対応しやすくなり、会員26人はそのまま新法人と委託契約を結び、同センターのガイドとして活動していく。
同センターは、町が2019、20年度に開講した「おもてなしガイド人材養成講座」の修了生17人が21年4月に結成した。駅北観光インフォメーションセンター「ポロトミンタラ」に案内カウンターを設け、個人、団体からの依頼に応じている。旅行会社の依頼でツアーのガイドも担い、今年7~10月はアイヌ民族文化財団と契約し、民族共生象徴空間(ウポポイ)の案内も行った。ガイドの人材育成や資質向上を目指す研修も実施している。
法人化には旅行会社などからの依頼の手続きがスムーズになるメリットがあり、同団体に所属せずに活動するガイドと連携し幅広いニーズに対応できるようにもなるため検討していた。
29日に町中央公民館で総会を開き、任意団体としての解散と新法人としての活動継続を全会員で賛成、可決した。
新法人でも代表理事となる予定の岩城氏は、会員がこれまでに蓄積した技術を講師として町外で伝えることで生かすことや、若い後継者の育成も考えている。「法人化で社会的信用度が増し、後継者の育成やセンター機能の充実にも資する」と前を向き、「将来は町内で高校生ガイドを育て、アルバイトでなく正式に雇用し、優れた人材の流出を防ぎたい」とも話す。旅行業の取得を視野に入れ、DMC(地域特化型で旅行業に携わる会社)の構築も目指していく考えだ。
同センターへのガイド需要は今年に入って急激に高まり、23年度は124回延べ1066人から、24年度は上半期だけで96回延べ1万1380人と10倍に膨らんだ。同町の芸術祭「ルーツ&アーツしらおい 白老文化芸術共創」や国が年間来場者100万人を目指すウポポイでガイドの存在感は増しており、今後の活躍が期待される。