千歳市防災会議(会長・山口幸太郎千歳市長)は昨年の胆振東部地震や西日本豪雨などを受けて、市地域防災計画を修正した。SNS(インターネット交流サイト)の活用による情報発信や電源供給設備の強化を盛り込んだほか、観光客への対応に関する方針も追加。昨今の災害状況を踏まえた内容を加えた。
同会議は市のほか道、国、航空、陸上の両自衛隊、市消防団などで組織し、防災・減災に向けた取り組みと連携を図る。修正内容は18日に市防災学習交流センター・そなえーるで開催した同会議会合で承認された。修正後の計画は同日から運用を開始。国や道の方針に加え市独自の修正が施されている。
新たな計画では、フェイスブックやツイッターなどの災害用SNS、防災アプリなどによる情報提供手段を盛り込んだ。冬季災害に備えて毛布やストーブを従来の計画より前倒しで整備したため、備蓄品の保有状況も修正した。
指定避難所の照明確保、避難者や周辺住民が利用する携帯電話の充電スポット設置のため、電源供給設備の強化に努めることも追記した。避難所の開設・運営を自主防災組織が中心となって地域住民が主体的に行うことも記している。
胆振東部地震では千歳市内に多くの観光客が滞留。これを受けて、一時滞在施設の確保、多言語化した情報の発信、相談窓口の設置、観光施設や宿泊事業者からの情報収集も盛り込み、帰宅困難になった観光客に対応する内容とした。
風水害対策としては「洪水・土砂災害ハザードマップ」で「氾濫危険」を「浸水想定」に改めたほか、家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流、河岸浸食)を追加。土砂災害警戒区域も全て掲載した。洪水時の指定避難所として新たに千歳北栄小、鉄東コミセン、千歳中を充てることにした。
会合で山口市長は台風19号による東日本への被害に触れ「前もって予測されていたが、大きな被害があった。災害は恐ろしいと痛感。被害を最小限に抑えるためにも、関係者が連携して迅速に動くことが大切」と述べた。