恵庭市役所本庁舎の駐車場にキッチンカーが出店中だ。市が憩いの場づくりなどを目的に営業を許可したことで実現し、市民や職員に好評。市総務部は「市役所駐車場でのキッチンカー営業は道内でも珍しい」とし、今後の拡充を目指す。
現在、市内ではキッチンカーの営業は、複合商業施設「フレスポ恵み野」や「えにあす」などの駐車場で行われている。市は、庁舎を利用する市民が立ち寄れるような場をつくるほか、出店事業者から徴収した利用料を財源確保の一助にするため、駐車場での営業を7月に許可。これまで地元などから4事業者が出店し、おにぎりやクレープ、コッペパン、ケバブなどを販売。出店回数は9月までは月に4~5回だったが、10月は予定を含めて10回に増えた。
今月10日には、クレープ販売の「みなみでカフェ」が出店。店長の中村兼也さん(24)は「2度目の出店。まずは人の流れを見たいと思って出店したが、初日は用意した80食が完売した」と振り返る。同日も昼時には市民が訪れ、「こんなのがあるなんて知らなかった」などと口々に語り、クレープを購入。70代の自営業の男性は「好みもあると思うが、市役所にキッチンカーが出てると、喜ぶ人が多いんじゃないかな」と言い、「甘党なのでたい焼き店も来てほしい」と要望した。
現在、キッチンカーの出店スケジュールなどを周知する機会が少ないのが課題。同部は「今後、出店情報を公開し、利用につなげていきたい」としている。