アメリカのバスケットボール独立リーグのABA(アメリカン・バスケットボール・アソシエーション)でプレーする松田鋼季(34)が17日、苫小牧中央高校でバスケットボールクリニックを開いた。同校のバスケットボール部員約10人が本場の技術力の高さを体感した。
松田は宗谷管内礼文町出身。報道記者として勤務していた道内のテレビ局を退社後、プロテストを経て2011―12シーズンからABAの「シカゴ・スティーム」に所属しシューティングガードとして活躍している。19―20シーズンもプレーすることが決まっており、今年9年目を迎える。シーズンオフは帰国して道内外でバスケクリニックや講演を行っている。
この日のクリニックは5対5を中心としたゲーム形式で行われた。同部の主にスターターで構成されたチームと松田を加えた控えのリザーブ中心のチームに分かれて1ゲーム7分程度を数試合行った。
松田は、試合の中で身長を生かしたゴール下での得点やディフェンスを揺さぶるフェイク、華麗なアシストパスを披露。バスケットボールの本場・アメリカで磨いたスキルを発揮しコートを支配した。
タイムアウトでは選手に「リバウンドをもっと積極的に取りに行った方がいい」「相手がスピードに乗る前にマークに就いて」などとアドバイス。同部でセンターを務める内山海音さん(2年)は「体の大きさと体幹の強さで大きな差を感じた。試合中のコミュニケーションの取り方も勉強になった。次の練習から意識していきたい」と話した。
松田はアメリカでプレーを始めた当時を振り返り「日本との差が大きかったのと同時に、世界最高峰のNBA(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)のすごさを思い知った」と話した。一方で近年の日本人選手の躍進について「地上波での試合の中継が増えるなどメディアの露出が多くなり注目度が高まっている」と喜ぶ。ワシントン・ウィザーズに所属する八村塁の活躍に触れて「バスケをする子どもたちに夢ではなく目に見える目標として映っているのでは」と期待を語った。