秋風感じ、選手ら疾走―第36回とまこまいマラソン大会

  • スポーツ, その他のスポーツ
  • 2019年10月14日
号砲が鳴り響き陸上競技場をスタートする10キロの選手=13日午前9時30分
号砲が鳴り響き陸上競技場をスタートする10キロの選手=13日午前9時30分
10キロ男子で総合優勝した畑中大志
10キロ男子で総合優勝した畑中大志
10キロ女子で優勝した柴田美幸
10キロ女子で優勝した柴田美幸
10キロ女子年代別優勝の金沢明子
10キロ女子年代別優勝の金沢明子
3キロ男子年代別で優勝の西田蒼太
3キロ男子年代別で優勝の西田蒼太
アンプティサッカーを体験する参加者
アンプティサッカーを体験する参加者

  第36回とまこまいマラソン大会は13日、苫小牧市緑ケ丘総合運動公園をメイン会場に開かれた。今大会からロードレース(男女ハーフ、車椅子ハーフなど)が休止となり、競技は10キロ、5キロ、3キロ、2.5キロファンランの4種目。台風19号の風雨の影響で一時開催は危ぶまれたが、コースの安全確保に努めたスタッフらの尽力で大会は予定通り行われた。メーンレース10キロの男子は畑中大志(29)=北極星AC=が34分58秒、女子は柴田美幸(34)=阿部工業所=が42分18秒でそれぞれ総合優勝を果たした。

   10キロ男子(10・20歳代)の畑中は、後続に差を縮められるも安定した走りを見せ、2位と4秒差でゴールを走り抜けた。畑中は33回大会の10キロ、34回大会のハーフで総合優勝しており、延べ3度目の栄冠を手にした。年代別では30代は高玉浩平(苫小牧気分は走会)が37分14秒、40代では佐藤祐徳(いすゞエンジン製造北海道)が35分37秒でそれぞれ1位となった。50代は平岡幸彦(ニッテン芽室)が37分42秒で、60代以上は瀧川修(作・RAN)が41分41秒で1位だった。

   10キロ女子は、柴田が後続に約4分の大差をつけて総合優勝した。2位は年代別で40歳代トップだった木藤幸子(苫小牧市)が46分43秒でゴールした。10代・20代は伊藤紗矢香(苫小牧和光中)が54分00秒、50代以上は金沢明子(苫小牧市)が49分10秒でそれぞれ年代別トップとなった。

  勝つレース結果で示す

   激戦の男子10キロで総合優勝を果たした畑中大志が、前回大会はハーフ、前々回は10キロで栄冠をつかんだ慣れた苫小牧の地で見事な走りを見せた。

   「優勝を狙っていた」と語る通り、坂道などアップダウンで差を縮められながらも自分のペースを崩さず、安定した走りっぷりのレースを展開した。「絶対に勝つことしか考えていなかったので『勝つレース』をしようと思っていた。優勝できたのは本当にうれしい」と自らかけたプレッシャーから解放され、安堵(あんど)の表情を見せた。

   畑中は千歳市出身。中学の頃から競技を始め、マラソンなどの長距離走の大会に数多く出場している。今後も北海道ロードレース(20日、札幌市)や5000メートル記録会などにも出場する予定。「今回の優勝で弾みがついた。これからもベストの走りを見せる」と意気込んだ。

 狙い通りのタイム

   10キロ女子で初優勝を飾った柴田美幸は、2年前のとまこまいマラソンの自己記録をほぼ3分も短縮する力強いレースを披露。2年間のトレーニングの成果が実を結んだ。

   42分台でゴールできるように走ったという。1キロ約4分のペースを守り、計算通りの走りを見せた。今季3レース目という今大会。台風接近の影響で強い風に悩まされ、併せてアップダウンの差が激しい独特のコースにも苦戦した。それだけに「練習通りの走りで狙っていたタイムが出せてよかった」と満足そう。

   千歳市在住で5年前から始めたマラソンだが、本格的に練習に取り組んだのは2年前のこの大会後。天候が崩れない限り、毎朝午前5時から10キロ以上走り込んできた。今年フルマラソンにも初挑戦した柴田は「来年以降も多くの大会に出て自己記録を更新していきたい」と意気込みを語った。

 年代別優勝 金沢明子

   全国各地のマラソン大会でフルマラソンに出場している。とまこまいマラソンは2007年から参加していて、ハーフ種目がなくなった今年は初めて10キロに挑戦した。「(アップダウンなどで)ペース配分が難しく、向かい風にあおられ目標の45分台には届かなかった」と少し悔しそう。それでもこの状況のレースで「50分を切れた(49分10秒)のはよかった」と笑顔だった。

 3キロ優勝 西田蒼太

   「初めてのマラソンで楽しかった。もっと早く走れるよう頑張りたい」

   3キロを14分49秒のタイムで快走した。沿道で応援する両親の声を励みに強い風に負けずに自分のペースを守ったと胸を張る。

   年代別で1位の好成績に「優勝できてうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

 初のスポーツフェス楽しむ

   家族や仲間で楽しめるスポーツイベント「とまこまいスポーツフェス」が13日、第36回とまこまいマラソン大会と併せて同じ会場の市緑ケ丘公園陸上競技場で開かれた。パラスポーツやラグビーなどのイベントやリレーなどが行われた。

   パラスポーツは、両手に専用のつえを付けて行うアンプティサッカーとフライングディスクの競技が紹介された。参加者は実際にボールを蹴ったりディスクを円形の的に投げ入れたりし、障害者スポーツへの理解を深めた。

   ワールドカップの自国開催と日本代表の躍進で注目度アップのラグビーは、苫小牧市ラグビーフットボール協会の会員が講師を務め、タックルやパス、ラインアウトなどを参加者に手ほどき。

   ほかに苫小牧のグルメが集結したとまこまいスポーツマルシェや、小学生と一般のチームが参加した「とまこまいリレー2019」などの催事や競技が繰り広げられた。

   イベントに参加した渡辺三千架さん(豊川小6年)は「初めて体験した競技もあって難しかったが、こつをつかむと楽しめた」と笑顔だった。

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