白老 日本技術の粋集める あすから仙台藩白老元陣屋資料館

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  • 2019年10月11日
特別展をPRする武永館長。手にしているのは会場に展示する貴重な短刀

  白老町の仙台藩白老元陣屋資料館は12日から、第9回刀剣展「日本の刀の魅力・短刀の輝き展」を開催する。同館の所蔵品や、各地の愛好家から借用した貴重な短刀を集めて展示。江戸時代に作られた歴史的価値の高い短刀もあり、日本独特の鍛冶製法で生み出される日本刀の奥深さを伝える。11月4日まで開き、刀の原材料の鉄を作る「たたら製鉄」の実演など関連事業も企画している。

   幕末の蝦夷地の北方警備拠点・白老仙台藩陣屋の資料を紹介する同館は、2002年の「わが家わが町の名刀展」を皮切りにこれまで8回、日本刀をテーマにした特別展を開いてきた。今回は、同陣屋総指揮官を担った仙台藩重臣・三好監物(1815~68年)の刀など同館所蔵品や、日本製鋼所室蘭製作所瑞泉鍛刀所の4代目当主を務めた刀匠・堀井重克さん=室蘭市=ら各地の愛好家から借りた短刀計29本を展示する。

   短刀は長さ1尺(約30・3センチ)以下の刀の総称。特別展では江戸期、明治、大正、昭和、平成の各時代に製作された品々を並べ、研ぎ澄まされた美しさや魅惑的な輝きを楽しんでもらう。

   関連事業として初日の12日午前10時から、「日本刀~その科学的合理性と機能美」と題した室蘭工業大学名誉教授の臺丸谷(だいまるや)政志さんの講演会を開催。同日午前11時30分からと13日午前10時からは、札幌・室蘭刀談義主宰の鳥羽達一郎さんによる「日本刀よろず相談」を予定している。

   19日には、日本古来の製鉄技法「たたら製鉄」の実演会(午前8時~午後3時)を開く。室蘭登別たたらの会代表の石崎勝男さんが、木炭と砂鉄で鉄を作り出す過程を紹介する。また、同日午前10時からたたら製鉄に関する講演会、午後1時からしめ縄の縄作り体験会も催す。

   今回の特別展について同館の武永真館長は「日本人の技術の粋を集めた日本刀の魅力を知っていただきたい」と来場を呼び掛ける。

   開催時間は午前9時30分~午後4時30分。入館料は高校生以上300円、小中学生150円、白老町民は無料。期間中の休館日は今月15日と28日。問い合わせは同館 電話0144(85)2666。

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