第72回秋季北海道高校野球大会第5日は10日、札幌円山、麻生の両球場でトーナメント3回戦を行っている。円山球場第1試合に登場した北海道栄は帯広農業と対戦し、0―5で敗れた。
また、4日目午後の2回戦に臨んだ鵡川は、札幌国際情報に1―11の五回コールド負けを喫した。
▽3回戦
帯広農業
100202000―5
000000000―0
北海道栄
道栄自慢の打線が影を潜めた。初回に1死二、三塁の好機を迎えるも無得点。その後も好機でつながりを欠き、相手投手に完封を許した。
東海大札幌
000000000―0
13000000X―4
白樺学園
札幌日大
0002―
3000―
札幌大谷
札幌国際情報
0200―
2200―
札幌龍谷
9日
▽2回戦
鵡 川
00001―1
01523x―11
札幌国際情報
(五回コールド)
札幌龍谷
20001302―8
00000000―0
函大柏稜
(八回コールド)
公式戦初登板の福田(2年)が円山のマウンドで躍動した。六回1死一、二塁のピンチで、支部予選から1人で投げ抜いてきたエース印南(同)の後を継いだ。「これ以上失点したら勝てない」と重圧をはね除け強気の投球を披露。相手拙走にも助けられ、後続を打ち取った。
その後は、2桁安打と当たっている帯農打線を「いつも以上に走っていた」直球と、武器のスライダーで翻弄(ほんろう)。3回3分の2を投げ被安打1、失点0と起用に応えた。「いい投球をしてくれた」と糸瀬監督はたたえた。
自信を胸に、長い冬のオフシーズンでさらなる進化を誓う。「まだ好不調の波が激しい」と福田は自己分析。制球力などを地道に磨き、頼もしい仲間でありライバルの「印南を抜かして、春はエース番号(1番)を取りたい」と力強く語った。
鵡川の投手陣が音を立てるように崩れた。三回に先発の1年生左腕西川が連打を浴び降板。替わった同級生佐々木駿も連続四球で振るわず、エース稲葉(2年)が3番手でマウンドに上がったが、2連続四死球と2点適時打を許した。
四、五回も四球で走者をためたことが響き、最短のコールド負け。「思った以上に投手の出来が厳しかった。力不足」と鬼海監督は悔しがった。
今夏の南大会(1回戦で東海大札幌に1―8の七回コールド)と合わせて今季2度の全道規模の舞台に立ったが、いずれも大敗と厳しい現実を突き付けられた。「やれる力はある。ただ、大一番で発揮できていない」と指揮官は言う。
阿部主将(2年)は「最後まで諦めない姿を見せることはできた」と成果を挙げた一方、個々人の能力やチームの一体感がまだ十分ではないと指摘。スタンドから声をからして応援してくれた先輩や地域住民に「勝って恩返し」するために、来春に向けて着実にレベルアップすることを誓っていた。