年間来館者数100万人を目標に掲げる民族共生象徴空間(ウポポイ)の開設を控える白老町で、地元作家らの手工芸品を取り扱う店が27日、大町商店街にオープンする。民泊施設管理業を営む同町の佐々木美保さん(40)が商店街の空き店舗を取得、改修し、カフェも兼ねた店の開業準備を進めている。佐々木さんは「白老で作られている”いい物”を掘り起こし、地元オリジナルの土産品として観光客などにアピールしていきたい」と張り切っている。
佐々木さんは、来年4月のウポポイ誕生で観光客の入り込み増が期待されている郷土白老のため、何か役立ちたいと思案。観光などで訪れる人たちに喜ばれる地元商品を提供し、白老を発信する店を開くことにした。
店舗は、町役場前にある元司法書士事務所の空き施設を利用。町の「空き店舗等活用・創業支援事業」の補助金を使って建物を改修し、オープン準備に取り掛かっている。店名は「Rana Pirica(ラナピリカ)」。北海道の在来種エゾアカガエルの学名を採用し、「カエルが好きなので」と佐々木さん。
建物1階の店舗部分(100平方メートル)は雑貨や工芸品などを販売するスペースと、テーブル席を設けたカフェで構成。販売スペースではアイヌ刺しゅうを施したバッグやがまぐち、アイヌ文様をあしらったコーヒーカップや皿などの陶器、ハンドメードのアクセサリー類、木工品、手作りジャムなどを取りそろえ、”白老メード”のオリジナル商品としてPRする。
カフェではコーヒー、紅茶といった飲み物や軽食、焼き菓子など地元スイーツを提供。カフェのスペースを活用し、ハンドメード雑貨の作家によるワークショップなどを開くことも考えている。
町内には、さまざまな分野の個性豊かな作品を制作する人たちが多彩におり、「白老には何もないという人がいるけれど、すてきな物はたくさんある。観光客のみならず町内の人にも知ってもらい、地元作家さんたちのものづくりを応援していきたい」と佐々木さん。大町商店街の活性化にも一役買いたいとし、「ウポポイの来館者に商店街にも足を運んでもらう。そんな店づくりを目指したい」と意欲を見せる。
店の住所は大町2の1。不定休とし、営業時間などは今後決める。