アイヌ文化の伝承活動に取り組む一般社団法人白老モシリは5日、白老港第3商港区の海岸で地引き網漁体験を催した。地元や近郊の親子ら約200人が力を合わせて網の引き綱を引っ張り、昔のアイヌ民族の漁労生活に思いをはせた。
アイヌ民族のイオル(伝統的生活空間)を体感してもらう行事。参加者が沖合約100メートルから浜辺にたぐり寄せた網にはブリ、カレイなどの魚が掛かり、子どもたちも大興奮。跳ねる魚の光景に目を丸くし「すごい、たくさんいる」と歓声を上げた。
家族と一緒に地引き網漁体験を楽しんだ苫小牧市の小学4年生の西美海さん(10)は「昨年に続いて今年も参加しました。綱を引っ張るのは力がいるけれど、とても面白い」と笑顔を見せた。
参加者は会場で振る舞われたアイヌ民族の伝統料理「チマチェプ」(サケの炭火焼き)、「チェプオハウ」(サケの汁物)を味わい、サケの解体や、弓矢でシカを射る狩猟の疑似体験も楽しんだ。