白老町で民族共生象徴空間(ウポポイ)を運営するアイヌ民族文化財団(札幌市、常本照樹理事長)は、アイヌ文化に触れる機会の少ない西日本の高校図書館に書籍を貸し出すサービス「ウポポイ・ライブラリー」を今月から始めた。50冊単位で半年間無償で貸し出すサービスで、国土交通省が今年3月策定したウポポイ誘客促進戦略の一環。
今月貸し出したのは、岡山東商業高校、近畿大学付属広島高校・中学校東広島校、徳島県の城北高校と脇町高校の計4校。アイヌ民族の歴史や口承文芸に関する書籍から漫画まで幅広いジャンルを提供した。
アイヌ文化に親しんでもらうため難解な学術書は避け、興味が湧いた場合は自身でも買い求められるよう一般書店で購入可能なものを選んだ。対象校がある岡山、広島、徳島の3県と高知県では、蔦谷書店4店舗の特設コーナーでアイヌ文化に関する書籍の紹介、販売も行った。広島市では12月2日まで継続する。
同財団は多くの生徒や教諭に読んでもらうため、貸出期間中に読書感想文の募集やアイヌ文化を体験できる企画も実施する考え。今後も西日本を中心に利用校を募集し、反応を見ながら他地域への展開も検討していく。