白老町の川で、サケの遡上(そじょう)が本番を迎えている。産卵のため川をさかのぼり、命をつなぐドラマが繰り広げられている。
外洋を回遊しながら成長し、生まれ故郷に戻って卵を産む。そうした”母川回帰”のサケたちが9月以降、町内の多くの川で見られるようになった。
子孫を残すため、水の流れに逆らい、体を傷つけながらも上流を目指す。遡上を遮る段差を飛び越え、コンクリート構造物も必死によじ登ろうとする命懸けの営みが続いている。
途中で力尽きたり、産卵の使命を果たしたサケたちの死骸は、森の生き物たちの栄養となる。遡上はこれからピークに入る。