「公魚はなんという魚?。4文字で」と、漢字パズルが趣味の家人。「アユかな」と答えて×。アユは香魚。正解はワカサギ。漢字も日本語も難しい。
何度か紹介したことがあるが、新聞には用字用語ブックという言葉や文字の虎の巻がある。漢字で書けるか平仮名か、使っていい言葉か―など、開いて確かめる。片仮名言葉の表記も難しい。マネージャーはマネジャー、ワイヤーはワイヤといった具合。報道機関によっても違うから紛らわしい。
テレビなどの発言を参考にするときも注意が必要だ。特に政治家は怪しい言葉を使うことが多い。「よりベスト、最もベター」はよくある誤用だ。中学生の英語の時間に習ったはず。テレビで以前、東京都知事が「的をえた指摘」と話していた。画面の字幕には「的を射た」と表記されていた。ブックを開いて確かめてみると「的を射たと、当を得たの混同による誤用」とあった。報道機関は、テレビで著名な政治家が話していたから使いました―では済まない。
日米貿易協定の合意が成立し、内実の検証が進む。トランプ大統領は「米農業の勝利」と自慢しているそうだ。では北海道の農業は負けたのか、勝ったのか。安倍首相は、双方の勝利の意味の「ウィンウィン」を繰り返している。環境大臣は、温暖化対策への取り組みを「セクシー」と表現し、会見で意味を問われたとの報道があった。政治家の言葉には注意。(水)