白老 町長選「共生共創」を合言葉 戸田氏が15項目の公約まとめる

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  • 2019年9月28日
3選出馬を表明し、後援会の事務所開きで支援を呼び掛ける戸田氏=20日

  任期満了に伴う白老町長選(10月15日告示、20日投開票)に出馬を予定する現職戸田安彦氏(50)は、3期目公約を取りまとめた。人口減少とそれに伴う町財政の縮小、公共施設の老朽化といった課題が山積する中、持続可能なまちづくりを推進するための15項目の公約を盛り込んだ。

   公約は、「共に生き、共に幸せを創るまちづくりを目指す」との意味を込めて「共生共創」をキャッチフレーズに掲げた。人口減少や高齢化の進展、来年4月の民族共生象徴空間(ウポポイ)開業などを踏まえた公約は、「安心」「元気」「学び」「活気」「希望」の五つをキーワードに15項目を設定した。

   「安心」では、▽安全で快適な生活基盤を築くための公共インフラ老朽化対策▽防災・減災体制の強化と地域防災力の向上▽高齢ドライバーの免許返納支援制度の創設―を盛った。「元気」では、▽成年後見人センター設置とバリアフリー推進、歯周疾患検診の実施▽子育てサイト構築と産後ケア実施、中学生までの医療費助成完全実施▽町立病院の早期改築―を示した。

   「学び」では、▽リクエスト給食の日の創設、学習支援員の拡充やICT(情報通信技術)教育環境の充実▽スポーツを通じた健康増進や各種大会の誘致、文化芸術に親しむ機会の充実▽郷土白老やアイヌ民族の歴史文化の深い学びを通した子どもたちの郷土愛醸成―。「活気」では、▽ブランド産品の販路拡大を図り、稼げる農林水産業の推進▽新規創業の促進や新商品開発の支援、中小企業や商店街の活性化▽ウポポイを町内観光の起爆剤に位置付け、町の魅力発信や関係人口創出の取り組み推進―を示し、地域経済の活性化を図るとした。

   「希望」では、▽地域コミュニティー再生に向けた「がんばる地域コミニュティー応援事業」の拡充▽効率的で健全な行財政運営、公共施設の更新・長寿命化の計画的実施による財政負担の平準化▽町民、地域、団体、企業の連携による地域課題の解決や共生共創のまちづくり支援―を盛り込んだ。

   白老町の人口は1985年の2万4560人をピークに減少を続けており、現在の1万6000人台が2045年には7000人台に落ち込むことが予想されている。加えて少子高齢化の進展で働き手が減る一方、医療費など社会保障費は増大。老朽公共施設の更新が次々に待ち構えている中、さらに厳しい財政状況に見舞われる可能性がある。

   こうした課題が山積する中、戸田氏は3期目公約で「将来にわたり持続可能なまちになる基盤をつくり、地方創生の一層の推進を図る」とし、「これまで追求してきた多文化共生の理念の下、町民と共にまちづくりを進めたい」としている。

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