アイヌ民族の英傑・シャクシャイン(1669年没)の第73回法要祭(実行委員会主催・大川勝委員長)が23日、新ひだか町の静内真歌公園のシャクシャイン像前で行われ、没後350年の節目をしのんだ。
シャクシャインは松前藩の圧迫や過酷な搾取に対して、アイヌ民族のために立ち上がった民族のおさ。道内各地から同族多数の参加を得て静内からクンヌイ(渡島管内長万部町)まで攻め寄せたが、幕府の援軍にはばまれ、シベチャリ(静内地方)のチャシ(とりで)まで後退。松前藩の和睦交渉に応じたが、その席で謀殺された。
法要祭には道内各地から約800人が参加。昨年建立した新しいシャクシャイン像の台座に設置された鈴木直道知事揮毫(きごう)の「共生への道」のプレートがお披露目された。
雨の中、シャクシャイン像の前で大川委員長、道アイヌ協会の加藤忠理事長らが「アイヌ民族は多くの方々と共生の道を歩もうとしている。来年の東京五輪・パラリンピックの開会式でアイヌ文化を世界に向けて発信し、未来に前進しよう」などとあいさつ。神への祈りの儀式「カムイノミ」や餅まきの「ハルランナ」などが行われた。昼食には大鍋のチェプオハウ(サケ汁)やマチェプ(サケの串焼き)が提供された。
法要祭後には公園内のシャクシャイン記念館で第42回芸能文化交流会も開かれ、踊りと歌の古式舞踊が披露された。