名言

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2019年9月26日

 「涙とともにパンを食べた者でなければ、人生の本当の味はわからない」―。ドイツの詩人ゲーテの名言とされるが、この日本語訳が原文と違いがあることを、恥ずかしながら最近まで知らなかった。初めて耳にした時はとても印象に残ったが、原文の直訳を読むともっと宗教的な言葉で、解釈も幅広いように感じた。

 偉人が残した名言を、生き方の指針や心の支えにする人はいると思う。置かれた立場などによって、受け取り方も変わるかもしれないが、ともすれば絶望的な響きすら伴う言葉も、心のありようなどで、苦境を乗り越えるための、心の栄養素にできる。言霊、とはよく言ったものだと思う。

 愛読者も多いであろう宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」。当方は好きなセリフがある。灯台守の「なにがしあわせかわからないです」から始まる一節。「ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから」。人生のその瞬間だけを切り取り、評価することなんてできないのだろう。

 寒暖差も大きくなるこの季節。爽やかな秋晴れがもたらす気温の変化に、心や体が追い付かない人はいると思う。ふと立ち止まって、人生について考えるのも、必要な時間の過ごし方かもしれない。そんなことを感じた、読書の秋。(金)

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