浦河 映画で文化伝える 大黒座で「Ainu ひと」の上映会とディスカッション

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  • 2019年9月21日
アイヌの暮らしと文化伝承などを語る古老たち。右から2人目は溝口監督

  浦河町の映画館「大黒座」でこのほど、現代を生きるアイヌ文化を伝えるドキュメンタリー映画「Ainu ひと」の無料上映会と、監督や出演した古老によるパネルディスカッションが開かれた。

   アイヌ民族文化財団の助成により町内の有志団体「レヘイサム」(八重樫志仁代表)が主催。米ニューヨーク在住の映像作家、溝口尚美さん(50)が、2016~17年に平取町で暮らすアイヌの人々の暮らし、伝統儀式などを、町二風谷アイヌ文化博物館の企画・協力を得て記録した作品。

   3回の上映の合間には、溝口監督と映画に出演した川奈野一信さん、木幡サチ子さん、萱野れい子さん、豊田礼子さんの男女4人が、舞台上でアイヌ文化への思いを語った。

   川奈野さんは10年以上前から溝口さんと知己の間柄。映画製作のため民宿に宿泊しながら平取に滞在していた時には「お金が掛かるから、ばあさんと2人暮らしの私の所においで」と誘っている。

   アイヌ文化研究に多大な貢献をした故・萱野茂さんが夫の萱野れい子さんらが「カラスとカケス」など口伝えの口碑伝説も披露。古老らは「アイヌについて若い人に興味を持ってもらうよう、これからも勉強したい」と熱い思いを語った。

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