昨年の胆振東部地震で震度7を観測し、大きな被害を受けた厚真町で稲刈りのシーズンを迎えた。出来秋を迎え、町内の各農業者たちは1日も早い復興への思いを込めて、収穫作業に励んでいる。
同町桜丘にある森田明央さん(52)の田んぼでは19日午前、胆振、日高の若手で構成する青年神職会による「抜穂祭(ぬいぼさい)」を実施。若手の神職10人ほどが黄金色に輝く田んぼの前で神事を行った後、実りの秋に感謝しながら鎌で新米の稲を丁寧に刈り取った。
神田を管理した森田さんは昨年の震災で自宅が損壊し、所有する田んぼも山の土砂崩れにより一部がのみ込まれたが、何とか営農にこぎ着け、「どん底まで落ちて苦労したけれど、1段階ステップを踏むことができてホッとしている」と笑顔。「またコツコツ元通りになるように頑張っていきます」と話していた。
胆振総合振興局が今月4日に公表した水稲の生育は平年並み。JAとまこまい広域(本所厚真町)によると、東胆振地域の稲刈りは今月下旬に掛けて本格化しそうだ。