安平町は18日開会した町議会で、校舎が損壊し、仮設校舎で授業を行っている早来中学校の再建について、早来小学校の隣接地で2022年秋までに完成させる方針を示した。
及川秀一郎町長が行った行政報告によると、8月上旬に再建事業に関する基本計画案を提示し、町民から意見を公募。特段意見がなかったため、当初案を基本計画として確定し、準備を進める―と説明した。
町は新校舎再建に関して現在仮設校舎となっている早来中の最短での再建と、築40年以上が経過し、老朽化が進んでいる早来小を一体型の校舎として建設する考え。基本設計の設計者選定は、条件に従って企画を提案してもらうプロポーザル方式で行う方向で、これまで寄せられた意見も取り入れて建設に結びつけたい―としている。
これを受け、町議会で米川恵美子氏が施設の社会的活用について質問し、町教育委員会は地域住民にも開放した図書室を設けることや大小二つのアリーナを「スポーツや音楽の大会やイベントでの利用も可能にする」と答えた。また、アリーナには災害時の避難所機能を持ち合わせ、子育て世代、高齢者などを分けて収容できる利便性を強調した。
このほか、「新しい学校を考える会」で寄せられた意見から音楽室や美術室などを小中学生以外も趣味で利用できるといった構想も語った。一方で住民が校内に入ることにより、「子どもたちの教育の妨げになるのでは」と危惧する意見もあったが、町はICT(情報通信技術)などを使って防犯セキュリティーを強化する考えも。基本的な考え方として「児童・生徒の活動を優先させる」が、住民と利用を共有できる機会も検討し、「将来にも対応できる施設の設計を考えている」とした。