ポツンと

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2019年9月17日

 今の場所に住んで25年以上になる。でも、自宅周辺の数軒を除くと、どこに誰が住んでいるのか、ほとんど知らない。「○丁目○番はどの辺りですか」と聞かれても、返事は「ちょっと分からないんですけれど」。「ポツンと一軒家」というテレビ番組を見ながら、わが身を振り返った。

 衛星写真に写っている、木々がうっそうとした山中の一軒家を探し当てて、訪ねる番組だ。番組スタッフが麓の集落に出掛け、出会った人に衛星写真を見せ、一軒家には誰が住んでいるのか、何をしている人なのか、どの道を行けばたどり着けるのか…などと質問を重ねる。返事は「年配の夫婦が住んでいる」「若い夫婦が移住してきて住んでいるはず」「住んではいないけど、定期的に通っている人がいる」―。集落には、離れた一軒屋を”ご近所さん”のように知っている人がいることに感心する。

 細い山道を登ってたどり着き、一軒家の主に声を掛けると「おっ、やって来たな」とうれしさをかみ殺すようにはにかんでみせる。これが、何だかほほ笑ましい。定年退職を機に、生まれ育った実家に戻り、1人で畑を耕す人。田舎暮らしがしたいと移り住んだ若い夫婦。所有する山の頂きに続く登山道を自分の手で整備し続ける人。アメリカの園芸家に魅せられ、広大な敷地に自分の庭を造っている人。一軒家の住人は、みんな生き生きしている。まねはできないけれど、手本にしたくなる。(松)

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