秋サケ漁の本番に合わせた「第31回しらおいチェプ祭」が15日、白老港近くの汐音ひろば(白老町石山)で開かれた。サケを使ったアイヌ民族の伝統料理が販売されたほか、ステージでは古式舞踊なども披露され、来場者はアイヌ文化に触れながらイベントを楽しんだ。
自然の恵みに感謝し、サケの豊漁を願う恒例の行事。白老アイヌ協会などでつくる実行委員会が主催した。
会場では、土で造った幅3・5メートル、奥行き1・5メートルの炭火の炉で焼いたサケの串焼き「チマチェプ」、サケの汁物「チェプオハウ」が販売され、コーナーの前に来場者の長い列ができるほどの大人気。伝統料理に舌鼓を打ちながら、札幌ウポポ保存会による古式舞踊などステージイベントを楽しむ人々の光景が広がった。
サケが当たる宝引きゲーム、アイヌ語○×クイズといったプログラムが展開されたほか、アイヌ文様刺しゅうや口琴ムックリ製作の体験コーナーも設けられ、にぎわいを見せていた。
また、松前藩と戦ったアイヌ民族の英雄シャクシャイン没後350年に合わせ、渡島管内長万部町による慰霊のリレー引き継ぎ式も会場で行われた。主戦場跡地がある同町の職員が太平洋沿岸自治体を歩きながら、シャクシャインゆかりの新ひだか町へ慰霊の旗を運ぶ事業。ステージで白老アイヌ協会の関係者が、地元の子供たちの協力を得て作った慰霊のパッチワーク2枚を木幡正志長万部町長に寄贈した。