良識や常識の有無を年齢だけで判断できるとは思わない。とは言いながらも40代と言えば中年、壮年とも言われる年代。社会経験を積み、判断の訓練を受け、少年とは違うと思いたい。
ところが、現実は甘くない。恐ろしくて、不快な「あおり運転」が後を絶たない。しかも事件化したあおりの容疑者は40代が多い。8月に茨城県の高速道で割り込んで停車させ、被害の運転者を殴って逮捕された男は43歳。昨年7月に関西で、追い抜いたバイクに腹を立て、追いかけて追突。学生を死なせた男に11日、大阪高裁で懲役16年の判決が出た。41歳だ。8日には愛知県の高速道で、後方から接近してエアガンで撃った男もいた。車を放置して逃げていたがきょう未明、知人に付き添われて警察に出頭したそうだ。40歳。
愚かなのは男。女性は無関係―という訳でもない。8月の事件、8日の事件とも、加害者の車には女性の同乗が報道されている。
警察庁は道路交通法の中に、あおり運転行為を規定する検討を進め、来年の国会に提出する方針という。暴行罪よりも罰則を厳しくすることで、事件の再発を防ぐ狙いだ。傍若無人、怖いものなしの40代に狙いが届くのかどうか。
第4次安倍再改造内閣が発足した。最年少は38歳。最高齢は78歳が2人。国会はあおり、威圧、挑発、侮辱、何でもありの世界に見える。国民の手本になるような質疑を期待したいが、さて―。(水)