飛生芸術祭(白老町、苫小牧民報社など後援)は、旧飛生小校舎を利用したアーティスト共同アトリエ・飛生アートコミュニティーが2009年以降、毎年1回開いているイベント。10周年の昨年は胆振東部地震の影響で中止したため、2年ぶりの開催で、7日にスタートさせた。
旧飛生小を会場にしたメインの「TOBIU CAMP(トビウキャンプ)」は7、8日に開催し、各地から1000人を超える人たちが参加。白老の地に集結したアーティストらが木造校舎や周辺の森、旧グラウンドを舞台に音楽ライブやトーク、舞踏、野外劇、人形劇、アイヌ舞踊などを披露した。世界的に活躍するポップアート作家奈良美智さんと音楽家岡本仁さんの音楽トーク、影絵作家川村亘平斎さんの影絵ライブなどもあり、来場者を楽しませた。
夜には巨大なキャンプファイアを囲む「めざせ! ウポポ100万人大合唱」を行い、高く上がる火柱の周囲でアイヌの伝統歌に合わせて踊りの輪をつくる幻想的な光景が広がった。
町内各所で関連プログラムも同時進行的に始まった。9日には国内屈指のダンス集団オルガンワークスの作品「町の屋根」を町内で上演。12日には、かつて白老駅前で販売されていた和菓子をテーマにした朗読劇「雁月☆泡雪」(劇作家渡辺たけしさん脚本)が町コミセンで行われる。また、白老に残るアイヌの神話や自然、歴史を基に制作したシルクスクリーン作品などを紹介するシルキオプロジェクト作品展がおかむらビル(大町2)で15日まで開催。レストラン・ローズマリーノ(萩野)では同日まで大漁旗をモチーフにしたアート作品展を催す予定だ。
国内外で野外劇などを上演する「指輪ホテル」芸術監督の羊屋白玉さんがプロデュースした「トビウ小7年2組」は8日にスタート。町内のスーパー駐車場や公共施設などを会場に「キノコ」「オーガニック栽培」「憲法」「森と山の話」など多彩なテーマの講座を開く。オープニングとして同日、パレード「森のうさぎ 海へゆく」を萩野地区で行い、ウサギの面を着けた羊屋さん率いる大人や子どもの隊列が音楽団の演奏に合わせて地域を練り歩きながら海へ向かうパフォーマンスを披露した。
この他、14日には旧飛生小で午後2時から、中国のアーティストらによるライブ演奏も予定している。イベントの詳細はホームページ(http://tobiu.com/events/)。
白老町竹浦の飛生アートコミュニティー主催の「飛生芸術祭2019・僕らは同じ夢をみる―」が白老町で開催されている。旧飛生小学校や町内各所で、国内外で活躍するアーティストによる現代アート展や演劇、音楽などさまざまなジャンルの芸術文化プログラムを15日にかけて展開する。