厚真町教育委員会主催の厚真子ども未来フォーラムが5日、厚真放課後子どもセンターで開かれた。子どもたちの心を豊かに育む環境を考える取り組みで、73人が参加。宮坂尚市朗厚真町長と及川秀一郎安平町長が、自身の子どもの頃の遊びや家族との関わりなどについて語ったほか、保育の専門家が対談した。
第1部では、宮坂町長と及川町長が子ども時代について回顧。宮坂町長は、昔の子どもは掃除や風呂のお湯沸かしなどの仕事を任されていたとし、「役割を果たすことで人の役に立つ達成感を感じることができた」と説明。子ども同士のトラブルも自分たちで解決していたことが、「対応力や復元力といった子どもの生きる力につながったのでは」と語った。及川町長は子どもの頃、回覧板や町内会の配布物などを近所の家に届ける役割を自身が担っていたことを振り返り、「回覧板を届けた先で菓子をもらったり、その家のペットに餌をやるなどして近所の大人との交流も生まれていた」と語った。
第2部ではおいわけ子ども園(安平町)の山城義真園長と熊本市にある、さくらんぼ保育園の建川美徳園長が各園の取り組みを紹介。山城園長は子どもたちが安心して自分の力を試せるような環境を、さまざまな立場にいる大人が連携してつくることの重要性を説いた。建川園長は1~5歳児が同じ空間で過ごす異年齢保育の実践から、「違う年齢の子ども同士で学べることがたくさんある。転ばぬ先のつえではなく、転んだ後にどう起き上がるかを見守るべき」と説いた。
フォーラムは、第1部、第2部で出された話をもとに、子どもたちの成長を支えるための大人の役割について考えるトークセッションで締めくくられた。