山線プロジェクト 支笏湖温泉でミニSLを試運転

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  • 2019年9月7日
小松弘夫さん(左)、法子さん(左から2人目)夫妻が見守る中、ミニSLに乗った実行委メンバー

  千歳市支笏湖温泉で、山線鉄橋を活用した地域振興に取り組む支笏湖・山線プロジェクト実行委員会は1日、埼玉県熊谷市の小松弘夫さん(76)、妻の法子さん(75)からこのほど寄贈されたミニSLの試運転を支笏湖園地の第4駐車場で行った。プロパンガスを燃料に湖水を湧かし、蒸気で走る本物さながらのミニSLに大人も歓喜。10月13日の支笏湖紅葉まつりで一般客にお披露目することを検討している。

   ミニSLは蒸気機関車の写真撮影を愛好した小松さんが約20年前に購入。購入後は地元の町内会や保育園、高校の文化祭など行事で運行し、子供たちを喜ばせた。機関車の蒸気を発生させる釜たきや運転は弘夫さん、準備の間にレール敷設をするのは法子さんの役目とし、夫婦二人三脚で地域を楽しませてきた。

   数年前に弘夫さんが体調を崩し、走らせることが難しくなった。本道滞在時に常宿にしていた支笏湖の丸駒温泉旅館の佐々木義朗社長から湖付近をかつて走った輸送手段、蒸気機関車にまつわる歴史に親しむ「山線プロジェクト」の取り組みを聞き、寄贈を申し出た。

   1日に行われた試運転には実行委のメンバー11人と、支笏湖を訪れた小松夫妻が臨んだ。試運転場の広さの都合で、レールは約50メートルの円形に敷設。少しでもずれがあるとうまく走らず、メンバーは「意外と保線が難しい」と苦笑い。小松夫妻の指導を受けながら、”開通”のための作業にいそしんだ。

   ミニSLの蒸気機関は釜に投じる熱源に石炭が使える仕様だが、今回はすすが出ず、手入れも容易なプロパンガスを使って水を高温にした。弘夫さんは構造を説明しつつ「運転を終えたらタンク内の水は抜いた方がいいです」と管理のこつを伝え、メンバーは熱心にメモを取っていた。

   取り付けた乗用台車にメンバーを乗せ、レール上を走るミニSLに「おお、走った走った」と大人たちも笑顔。目を細めて眺めていた弘夫さんは「皆さんに運転に取り組んでもらって(このミニSLは)幸せ者。使っていただき、支笏湖地域の発展に少しでも役立ててもらいたい」。法子さんも「少し寂しいけれど、皆さんが喜んでくれるなら」とほほ笑んだ。

   弘夫さんは機関士の衣装や腕章なども持参し、実行委に託した。実行委の木下宏事務局長は「山線プロジェクトの機運を盛り上げるために、このミニSLを役立てたい」と話していた。

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