増築工事の行われていた新千歳空港国際線ターミナルビルが8月30日午前5時、旅客取り扱い部分を供用開始した。床面積を約2倍の12万4000平方メートルに広げ、航空会社のカウンターや保安検査場、搭乗待合室などを拡張。北海道の空の玄関口として増え続けるインバウンド(訪日外国人旅行者)の受け入れ体制を強化する。
記念式典が同日午前に行われ、関係者がこもだるの鏡を抜いて新たな門出を祝った。旅客ビル会社新千歳空港ターミナルビルディングの阿部直志社長は「これからも利便性向上に取り組み、空港を核に北海道の発展を見据えて全てのお客さまに満足していただける空港を実現したい」と決意表明。空港利用者に日本酒を振るまった。
増築部は地上8階建て。主に旅客取り扱い部分の他、多目的ホールと高級ホテルで構成される。総工費は約650億円。既存区域と同じく出発客を3階、到着客を2階として動線を分ける。4階の一部と5階以上はホテルになる。
旅客取り扱い部分では搭乗手続きカウンターが74カ所、保安検査レーンは10月までに9本、旅客搭乗橋は8基に増加。CIQ(税関、出入国管理、検疫)施設も拡張する。国も並行して駐機場を3カ所増の9カ所に増設した。
土産店や飲食店など商業施設も1・6倍の25店に充実。訪日客に人気のディスカウントストアや家電店が入居する。搭乗待合室には道産食材を扱う飲食店街を設けた。