恵庭市栄恵町のカフェ&ダイニングバー・リンでは、市内唯一のアート書道教室を月に1度、同店で開いている。形式にとらわれない自由な筆遣いによる書。市内外の生徒がユニークな表現活動を楽しんでいる。
アート書道は、文字の書き方や配置、書き順に決まりはなく、表現したい内容に応じて文字やレイアウトを自由にデザインして書き上げる手法。一般的な書道に比べて丸みのある字体が特徴で、書道用の墨汁を使い、はがきや半紙、石、木材、衣服などさまざまな素材に書く。
教室は今年5月にスタート。講師は日本アート書道協会恵庭支部長で同店オーナーの朱田年秀さん(54)。毎月第3火曜日の午後7時から、仕事を終えた社会人が続々と来店し、筆を握っている。現在は13人の生徒がテクニックを学んでおり、中には書道教室の講師やすでにアート書道の講師資格を取得した人もいる。
8月下旬の教室では、8人が出席。テーブルに半紙を広げ、墨汁の色味や文字のバランスなどを何度も練習した後、厚紙に筆を走らせた。テキストや講師のアドバイスを参考にしながら、それぞれが書きたい言葉を決める。「そのままの自分で大丈夫」などといった文章をしたためる人もいる。
朱田さんは、「自由なのがアート書道。枠からはみ出してもいいんです」と強調。既存の枠にはめ込まない制作となるだけに「人と違う部分を個性として生かそうというメッセージも込めている」。
市内桜町から通う塚本洋治さん(50)は「一つの作品を作り上げるために集中して考えるので、仕事とは違った緊張感がある」と語った。
講座は毎月第3火曜日の午後7時から1時間半程度で1回2500円(1ドリンク付き)。
問い合わせは朱田さん 携帯電話090(2059)0216。